善悪の彼岸 (岩波文庫)ダウンロード

善悪の彼岸 (岩波文庫)

06/10/2020 15:23:33, , ニーチェ

によって ニーチェ
4.7 5つ星のうち 13 人の読者
ファイルサイズ : 21.24 MB
内容(「BOOK」データベースより) ニーチェ(1844‐1900)はキリスト教的道徳のもとに、また民主主義政治のもとに「畜群」として生きつづけようとする人々に鉄槌を下す。彼にとって人間を平等化、矮小化して「畜群人間」に堕せしめるのはこれら既成の秩序や道徳であり、本来の哲学の課題は、まさにこの秩序・道徳に対する反対運動の提起でなければならなかった。
以下は、善悪の彼岸 (岩波文庫)に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
ニーチェ自身曰く、ニーチェの全ての作品のうち、「最初に読むべき作品」。哲学というよりは、詩的。読んで絶対に退屈しないことは保障します。なかには爆笑と苦笑を交えずに読むのが難しい部分も。ひところで言うならば、「道徳批判」の本。「同情」「他人に迷惑をかけない」「犠牲愛」「神のために人を愛す」「義務」etc特にニーチェはこれらの道徳(曰く畜群道徳)を徹底的に攻撃します。彼によると、能動的な人物が「健康で、富裕で、賢く、強い」自分自身を「善い」とし、自分のようでない他の人々を「悪い」とする。これをより高貴な道徳とします。逆に、一般の小市民たちが、自分たちを抑圧する能動的な人物(国家元首、富裕な人、賢い人)を見る場合に、「彼らは悪い」とし、その上で「彼らのようでない私は善い」とする価値判断を、ルサンチマンに基づく低俗な価値判断だとするのです。彼が批判するものの中には、キリスト教、プラトン主義、近代民主主義、近代思想、そしてヨーロッパの文化などがありますが、全ては「畜郡道徳の批判」だと考えることができると思います。「善悪の彼岸」というタイトルには、「所与の善悪判断なんて存在しない。その向こう岸まで行こう。」という我々への語りかけが感じられます。そのためには、多くの価値判断の形式を横断しなければならないことも示唆されています。全ての所与の道徳(「服を着るべき」という道徳さえも!!)を拒絶した上で、彼は「力への意思」「非真理の受容」そして「生に対する絶対的肯定」を「不道徳者=自由な人」の指針として示しているように思います。‾〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「認識の樹があるところには、常に楽園がある。」大昔の蛇も最近の蛇もこう言うのだ。‾〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜その上で批判するとしたら、ニーチェの言う「高貴な人」とか「自由な人」とか「超人」が、コミュニティーで生まれたとすると(それ以外はありえないのだが)、彼は結局のところ「俺は善い。お前は悪い」というスーパーナルシストお兄さん以上でも以下でもない存在となる。ですので、「善悪の彼岸」に立つだけでは問題を克服できないと思われます。コミュニティーもしくは自然との関係を考慮しつつニーチェの思想を補完することを考えなくては、「自由な人間」にはなれないのではないだろうか。

0コメント

  • 1000 / 1000