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〈普及版〉 地中海 II 〔集団の運命と全体の動き 1〕 (〈普及版〉 地中海(全5分冊))

10/02/2020 17:07:28, , フェルナン・ブローデル

によって フェルナン・ブローデル
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内容(「MARC」データベースより) 今までの2つの版のすべての内容を収録(藤原セレクション版の付録である各界識者のエッセイと訳者解説と、及び藤原セレクション版で割愛した索引も収録)し、大きな活字で読みやすくした、名著の普及決定版の第2回配本。
〈普及版〉 地中海 II 〔集団の運命と全体の動き 1〕 (〈普及版〉 地中海(全5分冊))を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
2巻では、16世紀地中海圏での経済が中心に語られている。経済規模・商業と運輸・貨幣(金・銀)など目配りが広い。地中海経済圏では、軸が二つあった。一つはアメリカ大陸からの金・銀をヨーロッパ市場に持ち込むスペインと、それを流通させるジェノバ商人たちのイタリア半島だ。ブローデルによると、スペインのフェリペ2世は国内からの金・銀の流出は嫌ったが、かといって国内事業の振興には不熱心で、結局広大な領地の運営や戦争で莫大な通貨を放出するのみだった。しかも、フェリペ2世は為替などの金融取引についてはほとんど分からない、と広言していたくらいだから、不本意ながらも金融の扱いに長けたジェノバ商人を使わなければならなかった。(ジェノバ人がいなかったら、ネーデルランドの兵隊たちに給料すら払えない)しかし一方のジェノバ共和国も、金融資本家とそれ以外の市民の格差がひどく、国自体の繁栄には結びつかなかった。「フィレンツェとヴェネツィアの市場がなければ、レアル銀貨と銀塊の定期的な買い手さえ見つけることができない」のが、ジェノバの現状だったのだ。国を守るためには、金融システムに対する理解は不可欠だが、結局のところ金融という経済の上部構造は産業などの下部構造に支えられなくては成り立たないものであり、その裏付けがなければ経済はひ弱なものであることをブローデルは説いている。そして、ジェノバ商人の繁栄は終わり、ヨーロッパ経済の軸そのものがオランダ、イギリスなどの大西洋に移っていく。「アメリカの銀、アフリカの奴隷、ヨーロッパの三角貿易」によって地位を築いていったヨーロッパ、と習ったものだけど、その内側のシステムを教えてくれるこの本は貴重だ。

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