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時代劇原作選集―あの名画を生みだした傑作小説 (双葉文庫)

08/08/2020 10:38:38, , 細谷 正充

によって 細谷 正充
4.5 5つ星のうち 2 人の読者
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内容(「BOOK」データベースより)黒沢明監督の「椿三十郎」は観ているのに、山本周五郎の原作小説「日日平安」をまだ読んでいない!?往年の時代劇ファンは必読、北野武監督の「座頭市」で時代劇の愉しみを憶えた人にもお薦めの一冊。映画史に燦然と輝く名画を生んだ、人気作家の傑作。豪華10本立てで、映画スチールとあわせて一挙公開。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)細谷/正充 1963年、埼玉県生まれ。時代小説とミステリーを中心に、文芸評論家として各誌紙で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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名作と定評のある時代劇映画の原作を集めたアンソロジー。映画製作者は数多い原作候補の中から1本を厳選しただろうし、映画としても成功したのだから、この方法なら労せずして水準の高いアンソロジーができあがる。企画の勝利と言うべき短篇集だ。10作品のうち、いちばん面白かったのは柴田錬三郎「人斬り班平」/三隅研次「剣鬼」で、伝奇の魅力が横溢するA級作品だ。さすがシバレン! という出来。次に面白かったのが司馬遼太郎「奇妙なり八郎」/篠田正浩「暗殺」。清川八郎の策士ぶりを初めて知った。志賀直哉「赤西蠣太」/伊丹万作「赤西カキ太」は伊達騒動を別の角度から描いたものだが、編者・細谷正充が「ユーモアあふれる」というのが、何も知識がないのでわからず、残念。山本周五郎「日々平安」/黒澤明「椿三十郎」と子母沢寛「座頭市物語」/三隅研次「座頭市物語」は、これがあの映画になるのかと、物語を膨らませた脚本家の力量に感心した。興味深かったのは南條範夫「被虐の系譜~武士道残酷物語」/今井正「武士道残酷物語」。小藩の武士が代々書き続けた日誌を読み解きながら、日本人に抜きがたい、そして度し難いマゾヒズムとサディズムを分析し、それが明治期の天皇制まで引き継がれ、さらに現代にまで命脈を保っていることを明らかにしている。作者がもとになった古文書を偶然入手し小説にしたという経緯は、同じ作者の「駿河城御前試合」と同じだ。「駿河城」は古文書の存在自体がフィクションだが、ではこちらはどうなのか。この資料がフィクションならこの小説を書く意義は胡散霧消してしまうだろう。資料自体は本物なのではないか。書き方にしても、しつこいくらい入手の経緯を詳しく記し、内容の紹介分析も著者の一人称で書いており、エピソード風のところはほとんどない。ただ一つの疑問は、一つの日誌を何代にもわたって書き継ぐということがあるものだろうか、ということだが・・・。(磯田道史「歴史の愉しみ方」を読んだら、忍者が歴代書き継いだ日記という表現があったから、これはあり得るのだろう)

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